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おいしいお米が子供のアトピーの原因に?その理由と改善方法を解説
自分の子供がカラダを痒がって、カサカサになった肌を掻きむしる姿は親として本当に見るに堪えません。
アトピー性皮膚炎は、現時点ではっきりとした原因も、明確な治療法も見つかっていない疾患です。
と思う方も多いのではないでしょうか。
実は過去に北海道で、ある簡単な方法を実践するだけで、皮膚の疾患が改善されたという多くの実例があります。
その方法とは…
“今食べているお米を「コシヒカリ」系統以外のお米に変えるだけ”
です。
本記事では、農学博士 渡辺和彦先生の著書「肥料の夜明け」より「アトピー性皮膚炎と米の品種」の内容を元に、
- アトピーになりやすいお米、なりにくいお米の品種
- 一部の品種がアトピーを引き起こす理由
について、解説しています。
本当にお困りの方へ、一つの可能性を試して頂くきっかけとなれば幸いです。
- Contents -
北海道でアトピー性皮膚炎が多発
1989年頃の話ですが、当時、旭川市では多くの人が「ゆきひかり」という品種のお米を食べていました。
その年の秋、「従来より格段においしい品種『きらら397』が登場」と評判になっているところに、アトピー性皮膚炎の患者が急増しました。
このアトピーの原因が「きらら397」ではないかと気づいたのは、旭川市の長谷川クリニック院長の長谷川浩先生でした。(正確には、クリニックの患者さんが教えてくれたとの事です)
患者さんが言うには、家で食べていた「きらら397」を、従来食べていた「ゆきひかり」に戻すとアトピー性皮膚炎の症状が治まったらしいのです。
その後、長谷川先生の恩師(後木先生)の調べによると、3ヵ月程度の検証で「ゆきひかりに変えて症状が軽くなった湿疹患者数は、100名を超えた」そうです。
問題は「コシヒカリ」までに発展
ここまでの話だと「きらら397の普及をやめればよい」となるのですが、2001年に北海道立中央農場試験場で行われた共同研究で、「コシヒカリ」も同様にアトピー性皮膚炎の悪化因子である事が判明してしまいました。
誤解しないようにお願いします
ここで誤解がないようにお伝えしたいのですが、「コシヒカリ、又はコシヒカリ系統のお米」は全国で日常的に食べられており、もちろんですがコシヒカリを食べると必ずアトピーになるというのは間違いです。
卵アレルギーや蕎麦アレルギーのように、特に体内が未発達な子供や一部の大人の方で、カラダへの負担が大きくアレルギーになってしまう事があるという事です。
参考:北海道立総合研究機構(道総研)
米アレルギーに関する臨床実態と生化学的解析
米品種とアトピー患者急増の関係性
なぜ、米の品種により、アトピー悪化の原因になるものとならないものがあるのでしょうか?
著者の渡辺先生は、次のように分析されています。
品種の歴史とアトピー患者増加の因果関係
「極良食味米(ごくりょうしょくみまい)」と呼ばれる「コシヒカリ」「ササニシキ」の生産が増加し始めたのは、昭和50年代後半です。
その後、平成元年より「あきたこまち」「きらら397」などの新たな極良食味米が登場し、日本の田の大部分を占めるようになりました。
一方、昭和60年頃から米アレルギーが現れ始め、平成元年頃を境に急に増え始めた現象があり、極良食味米の生産増加と米アレルギー患者数の増加の因果関係が否定できません。
極良食味米の何に問題があるのか?
アトピーを引き起こしやすいとして、古くから知られているのはもち米ですが、もち米とコシヒカリなど極良食味米は「アミロペクチンというデンプンを多く含む」事が共通しています。
アミロペクチンは、お米にモチモチ感を出してくれますが、体内で分解しにくい特徴があり、アミロペクチンが強く包み込んでしまったタンパク質を分解できないような事が起こった場合、ウイルスや細菌のような異常なタンパク質と間違って判断してしまい、アレルギー反応が起こってしまう事があります。
アレルギーになりやすい品種
きらら397、あきたこまち、もち米、コシヒカリ、ひとめぼれ
アレルギーになりにくい品種 ←おすすめ
ゆきひかり、むつかおり、酒米、ササニシキ、初雫、春陽
まとめ
今回は、お米の品種とアトピーとの関係について解説しました。
第一発見者の長谷川先生の検証によると、ゆきひかりに変えた後、大体30~60日で皮膚の状態が大幅に改善されています。
今は、店頭では極良食味米しか並んでいない事が多いですが、AMAZONで調べてみると、ゆきひかり・ササニシキ・春陽の3品種は販売されていました。
ゆきひかりに関しては、「アトピーで困っている方の為に」と今でも細々とゆきひかりを生産してくれている農家さんもいらっしゃるようです。
本当に有難い事ですね。
著者の渡辺先生は、最後に3つのお願いを書かれています。
農研機構や大学、民間の研究者の方へ
ここまで述べてきた問題を真正面から研究して欲しい。
農業分野で育種(品種改良)をされている方へ
「コシヒカリ」系統以外の育種を考慮に入れて欲しい。
育種は無理でも、こうした知識を農業関係者で共有して欲しい。
米の流通業者の皆さんへ
ほんの少しだけで良いので、米が皮膚炎の原因となっている人々の為に、「コシヒカリ」系統以外の米も店頭で販売して欲しい。
コシヒカリ系統は、現在、全国の農家が生産しているお米なので、いきなり大きな方向転換は不可能でしょう。
しかし、「もっとカラダに優しく、もっとおいしいお米」を目指して、研究者・専門家の方が手を取り合って、今後品種改良されていくことを期待したいです。
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